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ルーツを感じる家  ーO邸ー 

石屋さんを営んでいた素敵なご婦人の家。

ある時、処分しようか迷っている家具があるので相談に乗ってもらえないか?と連絡がありました。どんなものかと見に行くと、立派な一枚板の大きな大きな座卓です。立派すぎて動かせないほど重く、お子さん達も独立し、その大き過ぎるテーブルは不要なのだが、かつて旦那様が気に入って買ったテーブルなので捨てるのもどうかという悩みでした。座卓はもう需要が限定的なのでテーブルにリメイクしてはどうか?などと話しているうち、次第に雑談は訪問した私の夢や希望の話に発展。

「ほ〜ほ~」と年の離れた若人の叶うかもわからぬ妄想話に付き合ってくれているうち、そのご婦人も若かった頃を思い出しながらなんだか楽しそうに耳を傾けてくれました。そして突然、「そうだ!この家あんたならどうする?」とご婦人。多少面食らいつつもあれこれ聞いているうちに、浮かんできた想いは、座卓同様大きすぎるその家を減築するという案。2階建ての2棟続きの住宅と大きな平家の客間、外の雑音が聞こえない立派な中庭で構成されたその住宅は、かつて大人数で生活していたことが見て取れる家で使わなくなった部屋がたくさんありました。「年齢的にも、2階はいらないし、立派な庭と客間の平家はそのままに、道路に面した2階建てのみを壊し、冬暖くて、夏涼しいという家にリメイクするかな?」と話すと、「あんたに頼む!」と即答。そうであればと石屋さん住宅をと息子さんにバトンタッチした石材店の力を借りて玄関の床や柱、一部壁などに切り出された無骨な石を配し、かつての家に使われていた欄間や下足箱や敷台なども使い家族のルーツを大切にした家にしました。機能としても屋根断熱、屋根裏換気、天井上断熱とした事で夏は本当に涼しいしいと大絶賛の家が出来上がり今ではみんなが集まる家になったと喜んでくれています。

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